会社という枠を超えた情報共有アプリケーション「Box」日本展開開始

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オンラインストレージサービス「ボックス」は、全世界で22万5000社以上、米国のフォーチュン500企業の99%で採用されている。
アメリカで、注目を集める29歳のカリスマ起業家アーロン・レヴィ氏。

5月20日、日本法人「株式会社ボックスジャパン」代表取締役社長の古市克典氏と共に、ボックスを日本で本格的に展開することを発表した。

これまでは「高いセキュリティを求める企業」と、「使いやすさを求める社員」は、相反していたが、「Box」は両者の望みをかなえることになった。
データは最高水準の暗号化はもちろん、7段階のアクセス権限の設定により、誰がいつアクセスしたかというログが残り、インターフェースのデザインも、直感的に理解できるものだという。

さらに、iPhoneやiPadといったモバイル機器にも柔軟に対応(iOSとAndroidにも対応)している。

社内だけでなく社外との情報共有を効率化することが可能だ。

グローバルビジネスの世界では、コラボレーション・情報共有の要素が多くなってきている。
社内での情報共有だけでなく、企業が、顧客、コンサルタント、パートナー企業といった社外の組織と、素早く効率的にデータを共有する必要が増えてくる。

フラットな組織作りを進め、新しいアイデアを生み出す土台を作り出すためにも、データ共有及び、その際のセキュリティ強化された「Box」は、ビジネスプロデューサーのプロジェクト推進時の情報共有にも大きく役立つことだろう。

国内企業が、「Box」導入によって、解決された問題は以下の3点だという。

1. ネットワーク上のサーバーにファイルを入れて共有すると、すぐに容量オーバーになる。
2. 社外の顧客と大容量のデータをやり取りする際に(外出先などを含めて)手間がかかる。。
3. 共有ファイルを複数人で更新していく際に、誰がいつ更新したか履歴が確認しにくい。

このような問題を感じている企業は、試してみる価値はありそうだ。

 


 

レヴィとはどのような人物なのか。カリフォルニア州ロスアルトス市にある本社で会ったレヴィは白髪交じりではあるが、元気がよく落ち着きのない若者だった。

ボックスの本社は、グーグル本社から車で約8分の場所にある。入り口には巨大な黄色の滑り台やスクーターが置かれており、典型的なシリコンバレーベンチャーだ。

メーガン・ヒューズ上級広報部長によると、900人ほどいる社員は カリフォルニア大学バークレー校やスタンフォード大学出身者が多く、グーグル、オラクル、マイクロソフトなどで働いた経験を持つ人材も多い。レヴィの評判は高く、某企業比較サイトによれば、社員からのCEO支持率は97%にも及ぶ。

彼はいわゆる学歴エリートではなく、高校生の頃からベンチャーを起業し、試行錯誤を続けてきた苦労人だ。そんなところが多くの人の共感を集めているようだ。

レヴィは「8歳の頃にはビジネスを行っていた」と言う。当時住んでいたシアトル郊外の高級住宅地マーサー島で、ビラを配り、ペットの世話、庭の草取りでお金を稼いだ。彼の両親は父が化学者、母が病理学者。学者一家にもかかわらず、本人はビジネスが大好きで高校生の時には15もの起業を行ったという。

南カリフォルニア大学でも起業へのチャレンジを続けた。高校の同級生で東海岸のデューク大学に進んだディラン・スミス(ボックスの共同創業者で最高財務責任者)と連絡を取り合い、アイデアを交換。学生向けのソーシャルメディアやロサンゼルス近辺のイベントを掲載するサイトを始めたが、うまくいかなかった。こうした経験を経てたどり着いたのが、企業向けファイル保管サービスだった。

「当初、資金集めには本当に苦労した」。レヴィは約25社のベンチャーキャピタリスト(VC)に電話して売り込んだが、レヴィもスミスも、まだ20歳そこそこ。「中学生に見えるほど若かった」ため、投資してくれるVCは皆無だった。そこで、レヴィはABC局の事業投資番組「シャーク・タンク」に出演中の億万長者マーク・キューバンに手紙を送り、35万ドルを手に入れた。レヴィとスミスは大学生活を切り上げ、その小切手を手にシアトルからシリコンバレーに向かった。

創業翌年の2006年には老舗VCのドレーパー・フィッシャー・ジャーベットソンから150万ドルの投資を受け、これまでに総計3億ドル以上の資金を調達した。

苦労の過程で人脈の重要性は身にしみている。彼は、ネットスイートCEOのザック・ネルソン、セールスフォース・ドットコムCEOのマーク・ベニオフなどシリコンバレーのエグゼクティブたちと親しく交流している。彼ら先輩たちに「少しお時間をください。相談をしたいことがあります」と電子メールで頼み込み、実際に会って教えを請うのだ。顧客を第一にしろ、なるべく現場を回れ、などのモットーは先輩経営者から学んだという。

レヴィは「2年前に欧州に進出したが、次は日本」という。すでに欧州では70人以上を雇っており、「日本では最初、コアとなるグループを作り、100人は雇用していく予定」という。

日本市場に乗り込むため、サービスの日本語化も進めている。14年4月までに日本語化を終え、5月ごろに東京ではイベントを行う予定でいる。ボックスジャパン代表取締役に就任した古市克典は「 パートナー企業との協力関係を広く作り上げていく。米国での実績を生かし、企業向けの営業活動を展開していく。すでに複数の大手企業がボックスの利用を検討中だ」と言い切る。

日本でのビジネスの可能性について、レヴィ自身はどのように考えているのだろうか。

「グーグル、セールスフォースなど先輩企業の活躍のおかげで、日本の企業は、米国のITサービスの使い心地のよさをよく知っていると思う。 だから、日本市場での展開は絶対にうまくいく……僕は楽観主義者なんですよ」

こう言い残して部屋を駆け出し、次の会議に向かった。

 

 

(写真:Ariel Zambelich/Wired)

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