ビジネスプロデューサー の「一流コンサルにもできない」立体的思考とは?
木枯らし一番の吹き荒れた日。
ビジネスプロデューサーとは?
ビジネスプロデューサー として活躍するためのスキルとは?
を知ろうと、ビジネスプロデューサーを目指す方達向けの少人数講座がビジネスプロデューサー協会本部で開かれた。
話の流れの中、元請が下請け業者へアメとムチで押さえつけるビジネスモデルに対し、「それも正しいことである」と結論づけた者がいた。
コンサルタントとして、クライアント(経営者)の意に沿うことは鉄則で、それが道理や時代の感覚に外れていたとしても、コンサルという名の報酬をいただく限り、他者説得のために理由付けのできる才能をもつ者を一流コンサルと呼ぶのかもしれない。
人を説得する方法は大きく二つある。一つは、こちらの意思を伝えて説得する「他者説得」。もう一つは自分で自分を説得するように導く「自己説得」。
コンサルタントはクライアントの顔色で、時にコンセプトまでを簡単に翻しても痛みを感じることはない。
そして、「他者説得」をしている姿の方が、コンサルの仕事をしているかのように錯覚が起きる。
結果として、どちらがいいとは言い切れないが「自己説得」の方が、出た結論に対し不平不満が出難いはずである。
自己説得を促すためには質問力が問われる。
そのスキルを身に付けるにはどうしたらいいのか・・・
ビジネスプロデューサーの頭の中は、非常に気になるところである。
『史記』を書いた司馬遷は、非常に正義感の強い人で、その司馬遷をもって「その御者として鞭を取ってでもお仕えしたいと思うほど、彼のことを慕っている」といわしめた者に、晏嬰(あんえい)がいる。
中国春秋時代の斉の政治家で、霊公、荘公光、景公の3代に仕え、上を憚ることなく諫言を行った。名宰相として評価が高く、晏平仲、もしくは晏子と尊称される。
上にへつらい、下の民の欲望に応えることで成功した宰相は数多くいた。晏嬰は、身長「6尺(周代の1尺は22.5cm 。135cm)に満たず」、しかし小さな体に大きな勇気を備え、常に社稷(国家)を第一に考えて上を恐れず諫言を行い、人民に絶大な人気を誇り、君主も彼を憚った。
ビジネスプロデューサーは、「コンセプト」が揺らぐことが無い。
他者説得で、下請けに無謀な強制を行えば、それが負の財産で翻ってくることを伝える。
晏子の諫言は、上にも下にも自己説得可能な真実の諫言であった。
最近、巷を騒がせている旭化成の虚偽の杭データ事件などは、こうしたエピソードを裏付ける、その最たる結果といえよう。
ビジネスプロデューサーは、かようなリスクを直感で感じ取り、負を寄せ付けることをしない。
コンサルの言う「正しいこと(利)」を求めるのではなく、損得を超えたハイセンスでビジネスを構築する。
ビジネスプロデューサーにとっては、利ではなく、理であるともいえよう。
三島由紀夫が言った。「センスとは相手を思いやる気持ち、すなわちこれデリカシー。」
ビジネスの戦略の手法として喩えられるもののひとつに「孫子の兵法」がある。
司馬遷は、もちろん「老子」や「孫子」も愛読していた。
過去、上にへつらい、下の民の欲望に応え成功した宰相は数多くいた。
が、それよりも、『史記』において、「管晏列傳」安嬰の伝記を上位にもってきたのである。
司馬遷にとっての必然から、あなたは何を学ぶであろうか。
BPA LIVEスタートであったBPA LIVE Vol.1 のテーマは「BRAVE」(勇者は幸運に恵まれる)であった。
司馬遷の文章に流れる『義を見てせざるは勇なきなり』の言葉を彷彿とさせる。
ビジネスプロデューサーが毎月集うBPA LIVEは、次回、11月24日(火)、会員限定で、
「 ビジネスプロデューサーの「一流コンサルにもできない」立体的思考とは? 」をテーマに開催する。
次の勇者に出会えることを、心より楽しみにしている。
BPA LIVE Vol.44 開催要項
【開催日時】2015年11月24日(火) 18:30-20:30 ※開場18:15
【開催場所】東京大学キャンパス内 伊藤国際学術研究センター3階 特別会議室
(〒113-8654 東京都文京区本郷7-3-1)赤門横
【参加資格】BPA正会員、準会員、読者会員 会員限定