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迷走する百貨店に婚活商法勝算はあるのか?

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筆者の生まれた年に小田急百貨店新宿店がオープンし、子どもの頃から成人し母親となっても小田急百貨店を利用していた過去の常連客としては、婚活をマーケティングに利用するようになった小田急に魅力を感じられないというのが本音だ。

11月7日、新宿店ハルク屋上に有賀園ゴルフと小田急が共同で、ゴルフレッスンを通した婚活イベント「小田急コラボ企画!ハルクでゴル婚!」を開催すると発表した。

婚活イベント会社のスタイルリンク(東京・渋谷)と連携して開催し、ペアを組んでゴルフレッスンを受け、途中、ペアを交代し2時間を過ごした後、休憩スペースで軽食を取りながらの懇親会を開催する。新宿店ハルクスポーツの「有賀園ゴルフ」で使える20%の買い物割引券を配布し、参加者の再来店を促すというマーケティングの戦略としての方法だという。

小田急百貨店は、2012年福袋に、上記婚活イベント会社のスタイルリンクと企画した「完全婚活プロデュース夢袋」を5万円で販売した。
20代から40代の男女各10名が、トレッキングイベントやクルージングに参加、ティップネスでの体作り、 女性にはビューティアップステージの利用券を配布、男性には「男の身だしなみセット」が入ったものだ。

かつて、こども時代、「可愛いお洋服だね。どこで買ったの?」と小学校の担任に言われ、「小田急デパート」と誇らしく答えた時代は、過去でしかないのだろうか。

東急百貨店では、屋上にフットサルコートを作り、会社帰りにチームで練習や対戦が可能なスペースを作っている。
スクールも開催し、スケジュールが埋まっているため、ほとんどが常連の人間たちが利用しているというのが、サイトの予約欄から伺える。

つまりは、当初より、屋上遊園地であったかつての、マス利用者を狙ってのスペースではなく、ほぼ定まった人たちへのコミュニティビジネスのスペースとして成り立って(いるのか、採算ベースはわからないがが、珍しいことの先駆けとして目立つという宣伝の面では有効といえるのかもしれない)いるのだろう。

婚活ゴルフのイベントは、一般顧客が申し込まずとも、婚活イベント会社の常連客で形式的にはイベントが無事開催されるだろう。(婚活イベント常連客は、真剣に婚活をしているのだろうから、ここでは、あえてサクラとは呼ばない)

コラボレーション、あるいは、ビジネスパートナーを選択するということは、経営を大きく左右する選択でもある。

横浜のマンションのデータ改ざんで、旭化成株が暴落している。マンションという集合住宅は、施工側からは顏の見えない住人が住み、住民を人という命として扱うことのできない人間が施工側に立つ場合もある。

経営も、経営者が顧客の顏を思い浮かぶことができなければ、その経営は遅かれ早かれ破綻するだろう。

百貨店が婚活をビジネスにした時、百貨店の常連客は、たちどころに逃げてしまう。

東急百貨店がサッカー好きな人たちのためにコミュニティスペースを用意したように、ゴルフを本当に愛する人たちのコミュニティスペースとして、何をすべきかを追求する方が、小田急百貨店にとっては、次なる商圏をゴルフを趣味にする(プチ)富裕層に絞り、企画展開を図れるのではないだろうか。

2012年の福袋の企画から、今日まで、婚活ビジネスの女性を企画にしていること自体が、古い常連顧客の一女性として、経営陣のうさん臭さを感じてしまう。

経済的条件を婚活材料にしている女性たちは、お金をもってる経営者に媚びへつらい、肉体を提供することも安易に考える女性もいる確率は高い。(あくまで、普通の生活をしているお嬢さんたちと比較しての確率である)

経営よりも、そうしたことをメリットと捉え、経営をおろそかにしていないか、過去の常連一顧客としては案じる次第である。

百貨店の未来は決して明るくはない。
だからこそ、誤ったビジネスパートナーと奈落の底に落ちないよう、本物のビジネスプロデューサーと出会うチャンスを失わないでもらいたいと願う。

 

 

 

(PHOTO:CLUB MANAGEMENT-Allgo Golfgarden-さいたま市最大規模200ヤードのゴルフ練習場)

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