折りたたみ式バイクImpossibleの販売店舗kickstarterはステマ?
kickstarterに掲載される商品は、確かに面白く、奇をてらった製品が多い。
中国のメーカーが作る重量5㎏の折りたたみ式バイクImpossibleのkickstarterが、12月26日までの45日間で5万5000カナダドル目標額で設定していたクラウドファンディングは、30日目にして、260万カナダドルを超えた。
最終日には、目標額の10倍に達する勢いだ。
Impossibleの折りたたみ式バイクフレームはかなり華奢だ。
しかし、荷重85㎏まで耐えられる強度と耐久性をもったフレーム材質で、軽さに優れたカーボン素材を使用しているので、重量5㎏が実現するという。
ホイール内にディスク型のブラシレス DC モーターを搭載。
電源には容量2900mAhのリチウムイオン充電池を10本使用し、最高速度20km/hで走行した場合で約45分間の走行が可能だという。走行可能距離は約25km。
バッテリーの充電時間は1時間半。
バッテリーは最終的な製品では変更になる可能性もあるという。
ブレーキは電気制動方式で、一般的なブレーキレバーではなくハンドルに付いているボタンを押すことで減速する。
ハンドルとサドルの高さは5cm区切りで調整可能。
Kickstarter の早期割引枠はすでに限定数を完売。
レギュラー枠で、530カナダドル(およそ5万4000円)の出資で Impossible 1台が手に入る。
出荷は2015年の8月頃になるという。
日本にも出荷対応するという。
クラウドファンディングには、「購入型」「寄付型」「金融型」とあるが、kickstarterでは、購入型で商品を製作する前からマーケティングとしても有効であり、前払い制度と同等の仕組みである。
しかし、冷静に見てほしい。
最高速度20km/hということは、ママチャリと呼ばれる一般的自転車と同等の速さだ。
人力と動力では使う体力に差はあるが、満タン充電で、走行可能距離は約25km。
最高速度の20km/hでは約45分間の走行が可能だといわれている。
ということは、一般的自転車と同じ速度で、15kmしか走れないということになる。
走行可能距離25kmを走る場合、時速は?そして、かかる時間は?と考えると、自転車の方が便利ではないだろうか?
折りたたみバイクの利用者は、どのような人たちであろうか?
車でキャンプに行き、そこでサイクリングを楽しむ人?
電車通勤で、着いた駅から折りたたみバイクで通勤する人?
使用する人のイメージが湧かない商品である。
また、動画を見ても、安定性が感じられず、安心して運転ができるのだろうか?という不安が残る。
電動バイク、電動自転車として考えた時、Impossibleは、価格帯としては決して高くはない。
しかし、いくら安く、また話題になるだろうというだけで、自宅の庭の隅、倉庫の隅、玄関の隅に追いやられてしまうことが予想される商品を、ビジネスプロデューサーは自分のビジネスとして好まない。
デザインが面白い、奇抜なアイデアであっても、そこに機能美、実用に耐えうるかという点を見失うことなく、コンセプトを明確に打ち出していくのが、ビジネスプロデューサーの仕事なのである。
kickstarterの早期の資金調達達成商品は、世界的に取り上げられ話題になる。
中国北京の折りたたみ自転車は、日本円で、3,000円~1万円の価格帯が多い。
ビジネスプロデューサーは、話題だけで商品を見るのではなく、生産国、素材、世界の経済状況も調査し、そのビジネスモデルを見抜く力ももっている。