パーキングシェアを超えたパークコンシェルジュ「Vatler」
ターゲットを絞ったビジネスモデル
ビジネスプロデューサーにとって、移動手段、移動時間をどう利用するかは、ビジネスにおいて「時は金なり」といえよう。
Vatlerは、オフィスで働く人たち向けの駐車場代行サービスだ。
Y Combinator(ワイ・コンビネーター)出身、Hamza Ouazzani Chahdi氏が創業した。
都市部では、ビジネスマンが車で移動した際、駐車場がみつからず、アポイントの時間に遅れる・・・ということも、よくある。
駐車場がみつからなくて、会議に遅れて冷や汗をかいたり、路上のパーキングメーターで、1時間を超え、取り締まりに遭い、高い駐車場料金になったりした経験のある人も多いだろう。
Vatlerはサンフランシスコのビジネスマンにターゲットを絞って、駐車問題を解決するサービスを展開している。
高級ホテルやレストランなどで、専用の係員による駐車サービスを、車通勤のビジネスマンも使えるようにしたサービスである。
Valterの係員がオフィスの前で到着を待ち、オフィスの前に着いたら、係員が車を預かり、近くの空いている駐車場を探し駐車する。
帰りは、少し前に連絡を入れれば、オフィスの前まで車を持ってきてもらえるというもの。
基本的にはバレット手配料で10ドル。
1時間当たりの駐車で5ドル。30ドルで洗車サービスも用意している。
Vatlerは、オフィスで働くビジネスマンをターゲットに絞っているので、そのユーザーのためのサービスを充実させることに注力していくことで、サービスメニューの充実を図ることができる。
日本にもあった駐車場シェアリングサービス
「軒先パーキング」や、「あきっぱ!」は、駐車場シェアリングサービスを行っている。
また、11月10日には、「あきっぱ!Plus」サービスとして、自分の車をドライバーに預けて駐車してもらう「バレーパーキング」機能を追加した。
事故の際の保険などは、「あきっぱ」が負うという。
アイデアの軌道修正
Hamza氏は、当初、自分の使っている駐車スペースを5ドルで売買するといったアイデアをもっていた。
ところが、同様のサービスを行うMonkeyParkingが取り締まりに遭い、軌道修正を図った。
学生時代からパーキング市場を専門に研究し、サンフランシスコの駐車データを基に、どの駐車スポットがいつ空くのかという予測ソフトウェアの開発をしていたHamza氏は、その自分の研究からヒントを得たビジネスにこだわった。
Y Combinatorでは、毎週10%のユーザー成長を求められ、時間のほとんどは、ユーザー獲得に費やしていたという。
目標値に達しない時も、自分で考えろと言われ、ユーザー獲得の営業からアプリ開発を重視した途端に、ユーザーが増え始めたという。
人を増やすために、人海戦術を行うよりも、ユーザーにとっての利便性、機能性を追求することが、本来、利用してもらいたいターゲットユーザーにぶち当たるという経験にいきついたという。
また、マーケットの調査は必須ではあるが、それ以上にY Combinatorで、あらゆる施策をすぐに実行できるような実行力を持つ創業者が求められていることを痛感したという。
誰のために何ができる?
ビジネスプロデューサーのいう「コンセプトにこだわれ!」という言葉は、誰に向けて何を発信するのか!誰のために何を用意すればいいのか!ということを、自分の頭で考え尽すことにつきるのだろう。
果たして、あなたは、一体、誰のために、何ができるのだろうか?
自分で考え、自分で答えを出すしかないのだ。