ビジネスプロデューサーにヒント!世界に必要とされるビジネスPeek Retina
医療難民のために!Peek Retinaという眼底検査機器のクラウドファンディングに注目
クラウドファンディングIndiegogoに登場した「Peek Retina」は、スマートフォンにアダプターを取りつけることで、誰でも眼底写真の撮影ができる機器の資金調達を行っている。
目的は、先進国のように医療環境が整っている国ではなく、発展途上国で、専門医による診断を受けられない国の人たちに、眼底検査の写真をデータで医師にメールで送り、診断を仰ぐことができるように作られたものだ。
眼底検査機器は、大きく重厚なものがほとんどだが、Peek Retinaは、スマホのカメラ部分に円形の検眼鏡を取りつけ、患者の目を普通に撮影するだけ。
非常にコンパクトで、医師でなくても操作ができる。
地方を巡回するヘルスケアワーカーが端末にこのアダプターをつけて撮影することで、早期の病気発見が可能になる。
専門家との連携もしっかり!
開発者は、イギリスを拠点に活動している医師やエンジニア、ソフトウェアデベロッパーらのチームだ。
しっかりと、専門分野の眼科医が開発に携わっているので、白内障や緑内障の診断可能となる性能を備えていることも立証されている。
試験的に、ケニアではヘルスケアワーカーが1週間に1000人もの眼底写真を撮影し、診断によって早期治療につながったケースもあり、実証実験としても精度が高い。
世界には盲目の人が約3900万人いて、その8割は視力喪失を防げる案件だという実態を解決したいという思いからPeek Retinaは生まれた。
資金提供者がプロジェクトメンバーに加わる形の資金調達例に挙げられる
Indiegogoでは、60ポンド以上出資したヨーロッパ居住者にのみこのPeek Retinaを発送する。
クラウドファンディングでは、消費者が日常で使う商品やサービス、映画・演劇・音楽・アートのチケットと引き換えの運営資金を集めるための色合いが大きい。
そうした中、Peek Retinaは、デジタル壁紙と引き換えの少額寄付や、まったくの善意の寄付といった小さな金額と、商品販売と、専門家向けにHPに機器使用の網膜データの利用許可の代価、商品発表時の参加資格、またプロジェクトを追ったドキュメンタリー発表を行えるジャーナリストとしての資格、商品販売代理店資格、生産協力工場の資格等々、アイデアをカタチにするために、必要なプロジェクトメンバーを、クラウドファンディングで募っていることが理解できるサポーター募集を行っている。
視力を失うということは、愛する人の顔を見られなくなるということ。
生活の中で、身近にそうした哀しい経験をした人は、誰にも存在するであろう。
そうした共通の哀しみの克服と、考え尽されたプロジェクトのサポーター募集の方法は、ビジネスプロデューサーにとって、大きなヒントとなるだろう。
なにより、アジアでは、世界のために・・・という視点をもつことが難しい。
あらゆる面で、Peek Retinaのクラウドファンディングは、学ぶべき点があるだろう。