ヨドバシカメラは家電量販店からネットスーパーへ?
筆者が子どもの頃、テレビから絶え間なく流れるコマーシャルの歌が耳に残った。
丸い緑の山手線 真ん中通るは中央線 新宿西口駅の前 カメラはヨドバシカメラ
さらに、歌詞は、時代と共に、ヨドバシカメラが何を売っているのかが分かる。
若者集まる新宿に うれしいカメラの店がある ビデオも時計もそろってる ビデオもヨドバシカメラ
新宿西口駅前に 大きなカメラの店がある パソコンワープロそろってる ゲームもヨドバシカメラ
よいママよいパパよい家族 電化製品そろってる いつでもみんなの合言葉 家電もヨドバシカメラ
歌同様に、カメラや、時計など、新宿西口のヨドバシカメラで店員との値段交渉や、ゲーム発売日に、深夜から並ぶ青年たちの姿など、ヨドバシカメラならではの印象深い思い出が頭によぎる。
ヨドバシカメラは年内にも、鮮魚のネット販売に乗り出す。
すでに6月からは、ネット通販サイト「ヨドバシ・ドット・コム」で生鮮野菜を販売している。
肉や卵など、生鮮食料品の取り扱い品目を大幅に拡充する予定で、「家電量販店」を超え総合通販サイトへと姿を変えてきた。
もはや、1970年代のCMソングの「家電量販店」のヨドバシカメラの商品と、全く違う商品ラインになり、配送スピードでは都市部中心ではアマゾンよりも早く、物流のヨドバシカメラとも呼べる勢いだ。
川崎市と神戸市に物流センターを持つヨドバシカメラは、家電製品などヨドバシが強みを持つジャンルでは、アマゾンより早く届き、一部店舗では24時間受け取りや、深夜・早朝を問わず希望の時間に個別配送するチャーター便などのサービスもある。
ヨドバシは、川崎にある物流施設に100億円超を投じ、延べ床面積を2016年には現在の6倍に拡張する計画だ。
さらに、18年末までに300億円を投じ、三重県桑名市と北海道、九州の3カ所に物流施設を設ける計画を打ち出している。
「エクスプレスメール便」として、東京都中野区を中心に、6時間配送の試験運用を始め、小型の商品であれば発注から最速で6時間以内に届く。2015年中にも東京23区へと対象を広げる。
ヨドバシカメラは、新卒採用HPで、ヨドバシカメラの経営理念は、
お客様、街、メーカー、そして社会にとって「なくてはならない存在」でありたい。
と謳っている。
消費者は、「もう社名から、カメラという文字を取った方がいいのでは?」「一体、なに屋なんだ」という声が上がっている。
コンセプトが事業やビジネスにとって、重要であると言い続けるビジネスプロデューサーは、果たして、カメラを失ったヨドバシカメラの事業転換を、どう予測するのだろうか。