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教師教育もするタブレット教材

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人口増加率世界第4位。
アフリカ南部の国ザンビアは、人口1400万人の約半分が15歳以下であると言われている。

アフリカ教育開発連合議長のジンガイ・ムトゥンブカ氏が、1年ほど前の2013年2月に、第10回国際教育協力日本フォーラムにて、基調講演を行った時にも、次のように述べている。

「アフリカでは教員の労働条件が悪く、資格が不十分な教員や、資格がない教員も雇わざるを得ない状況が続いている。包括的な教員政策を策定し、効果的に実施するための予算を盛り込んだ国別実施計画を立て、あらゆる関係者を動員して計画を実施する必要がある。」

「ネルソン・マンデラは「教育は社会を変える最も重要な武器である」と言った。
アフリカが人材開発に取り組み世界に追いつくために、教育は特に重要である。教育は資本集約型であり労働集約型でもある。
そのため、教室で教える教員に代わる可能性のある様々な取組が熱心に行われてきた。
ラジオが発明されたとき、多くの人々は、ラジオが教員の代わりになる可能性があると考えた。
ラジオを使って教える試行的な取り組みも多くなされており、いくつかはかなり成功している。
テレビが出現したときも過剰な期待が多く寄せられた。
テレビから発展して、ビデオ、コンピュータ、インターネットと次々に実験がなされている。
確かに教員の役割のいくつかの部分はこれらによってできるようになってきたが、教室で教える教員に完全に取って代わることはできていない。

私は先月、「ウェンチの奇蹟」と題する記事を読んだ。
エチオピアの子どもたちがタブレットを使って自習する教育実験の記事だった。
ボストンのマサチューセッツ工科大学が支援するこのパイロット実験は、学習プログラムや動物の映像や遠くの国々や算数ゲームなどを英語とアムハラ語で搭載したコンピュータを子どもたちに渡すと自分で学べるのではという大胆なアイデアから生まれた。
子どもたちが自分で勉強できたりお互いに教え合ったりできるのではという期待から、子どもたちの好きに任せている。
この実験が成功すれば、世界に 6,000 万人以上いる未就学児童に対して、同じアプローチが使えるのではないか。
子どもたちは教えられなくても歩いたり話したりしているので、子どもたちは「独習者」であるという仮定に基づく。」

ザンビアでは、まさに、教師不足と教師のスキル不足が問題視されており、調査では85%の教師が1度も教師としてのトレーニングを受けたことがないということが明らかにされた。

ザンビアの「iSchoolという取り組みは、eラーニングをいち早く小学校に取り入れた。小学校教育にタブレット端末を導入する試みが始まったのだ。

イギリス人起業家のMark Bennett(マーク・ベネット)氏は、ザンビアの小学生に必要なものすべてを「ZEduPad」-ゼドゥパッドという1つのタブレットにまとめた。
画面サイズは7インチで、ザンビア国内で使われている8つの言語に対応している。訓練が不十分な教師でも質の高い授業をできるように狙って開発された。
算数から体育、図工や音楽まであらゆる教科の1万2000以上の授業用の教材がインストールされており、ザンビア文部省の認可も得ている。
電子メールやウィキペディアも使え、「へき地に住む、コンピュータを使い慣れていない教師でも使えるように作った」とベネット氏は言う。
小学生用の5500の授業、先生用のトレーニングカリキュラム、大人が読み書きを練習するためのカリキュラムの3つが入っている。

授業は生徒を3段階のグループに分け、1つ目のグループは先生とのアクティビティを、2つ目のグループはライティングを、3つ目のグループがゼドゥパッド用いて学習する。生徒はグルーピングによって、先生からより細かい指導を受けることが可能になる。

しかも各授業には、その授業のためだけに作られた緻密な授業計画が用意されており、たとえ、教師がスクリプトを読むだけでも、教室の授業を従来の暗記中心のものから、インタラクティブな授業にすることができるのだという。

こうしてiSchoolはZEduPadと精密に組まれたカリキュラムを武器に、従来の大人数で質の低い授業を、より人間的で質の高いものに変えていこうと試みている。

iSchoolは現在、ザンビアの数校で試験的に導入され、南アフリカ、ジンバブエ、マラウィ、タンザニア、ケニア、レソト王国、ソマリア、南スーダンなどの周辺国が興味を示しており、アフリカ大陸を中心にe-ラーニングが広がっていく日も期待される。

2001年以降、ザンビアでは小学校への就学率がアップし、世界銀行によると、発展途上国のなかで初等教育システムの改善が最も進んだ国のひとつになっている。

現在は中国で生産したハードウエアをザンビアに運び、ソフトウエアのインストールを行っている。
ハードの生産や輸入にかかる費用は1台につき約100ドル。
セットアップ後に先生や学校に1台200ドルで納入し、専門家が学校に行き使い方を教えるという。

途上国ではPCのデスクトップ機器ではなく、こうした小型端末が普及し、非常に安価なスマートフォンによって、世界の教育格差が無くなるだろうと予測される。

日本でも、真剣に教育について考えている真面目な教員教育を行っていることは非常によく分かる。
「第10回国際教育協力日本フォーラム」の資料をみても、四角い箱の中に、ぎっしりの文字と、事例を数々上げて説明を行っている姿が、その場にいなくても想像に難くない。

が、アフリカ教育開発連合議長のジンガイ・ムトゥンブカ氏の「子どもたちは「独習者」である」という言葉が、教育の本質-コンセプトではないだろうか?

ビジネスプロデューサーは、「コンセプトに、とことんこだわれ!」と言う。
ビジネスプロデューサーは、共育という言葉を使う。
教えられる者も、教える者も、共に育み合うという意味の「きょういく」だ。

アフリカ各地の「きょういく」のように、日本の今の教育を共育へと変える力をもつのは、ビジネスプロデューサーなのかもしれない。

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