新しいデザインは原点回帰-三越伊勢丹ホールディングス紙袋柄一新
三越伊勢丹ホールディングスは2月27日、この春、新学期となる4月1日から、三越のショッピングバッグを一新すると発表した。
現在の白地に赤・青・紺の三色の四角い模様を用いたショッピングバッグは1957年からのもので、57年ぶりの変更となる。
三越は1673年(延宝元年)呉服店「越後屋」として創業。
1904年(明治37年)日本初の「デパートメントストア宣言」をして110年を迎えた取り組みとして実地される。
新ショッピングバッグは、呉服店という原点回帰による越後屋と同時期に生まれた友禅をイメージした、人間国宝である友禅作家、森口邦彦氏による着物向けデザイン「白地位相割付文 実り」を採用。
たわわに実るリンゴを幾何学模様で表現。大中小のバッグのほか、ワイン用、弁当用など、7種類を用意するという。
白地に赤の包装紙「華ひらく」は、これまで同様に使用される。
この包装紙も三越のシンボルとして、1950年に誕生。
デザインしたのは洋画家の猪熊弦一郎画伯で、白い紙に不定形に切り取られた赤い紙を貼って作ったという。
不安定に「白地の上に、ピンで留められた赤い紙」を、当時三越宣伝部の社員だった漫画家やなせたかしさんが、そっとタクシーで運び持ち帰り、後に、この基本デザインに「mitsukoshi」の文字を書き入れたという。
「アンパンマン」と三越とが結びつくというのも面白いエピソードである。
三越伊勢丹では昨年10月には伊勢丹のタータン柄のショッピングバッグもリニューアル。
時間を経て、見失いがちなものを原点回帰することは、ビジネスプロデューサーにとっても大切なことかもしれない。