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市場を求め続ける不屈の精神をもつ作家がいた

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2013年8月26日未明、インターネット掲示板「2ちゃんねる」過去の書き込みなどが検索できる有料サービス「2ちゃんねるビューア」に登録していた会員の氏名・住所・クレジットカード番号などの個人情報が流出しネットに書き込まれるという事件が起きた。

ライトノベル作家の杉井光氏が同業作家への暴言や誹謗中傷を行っていたことが公になり、杉井氏は謝罪した。

その矛先が、ライトノベル出身でありながら、文芸作品を生み出す力のある作家である橋本紡氏に向けられていた。

それらの発覚以前から、橋本氏は、このような小さな日本人の嫉妬から生まれるくだらない足の引っ張り合いに辟易していたのであろう。
もっと、大切なことは、日本の出版界の未来であり、その未来を予測し、自身の作家としての活動の方向性に苦悩していることをTwitterで発表し、ブログに掲載していた。
⇒「橋本紡オフィシャルblog」(現在停止中)

彼の言葉で非常に興味深いのは、現実を冷静に見極め、自分をどこに置くかということを考えることの重要性が見えることだ。
それは、ビジネスを行う上でも、忘れてはならない視点であろう。

現在の日本国内のマーケットにしがみつくことで、未来に成功を生み出す業界ももちろんあるだろう。

しかし、世界は、日本だけではないと、彼のように、自分の目でアジアを巡り、最終的にマレーシアの首都クアラルンプールに家族と移り住むという選択をするということも、未来の成功への道なのかもしれないと思わせてくれる。

クアラルンプールは、世界都市ランキング(2012年、アメリカのシンクタンクが公表したビジネス・人材・文化・政治などを対象としたランキング)世界第49位(東南アジアでは、シンガポール、バンコクに次ぐ第3位)である。

ビジネスプロデューサーもまた、常に現実を見極め、その上で、どこに目を向けるか、プロジェクトに関わる自分たちをどこに置くか、市場を探す不屈の精神をもつ探究者ともいえる。

アジアは、熱気がある。覇気がある。成長がある。

そして、シンガポールという国は、多国籍の人間が集まる、知の集積場でもある。

BPA LIVEは、ビジネスプロデューサーたちの集まる知の集積場ともいえる。
ライブラリーのようにBPA LIVEの内容は蓄積され、次代のビジネスプロデューサーのための経験からの知識の宝庫を目指している。
次回、BPA LIVE は、2014年1月29日(水)、日本の最高学府といわれる東京大学キャンパス内にある伊藤国際学術研究センターという経済界の後ろ盾ある場で、ビジネスの未来を予測しながら学びを続けていく。

以下、長くなるが、橋本紡氏の言葉の抜粋である。

「率直に行こう。エンタメ小説は終わった。ビジネスとしては。だいたい、三年ほど前かな。」

「ちゃんと書いておくけれど、芸術としての文学は意味を失っていないし、そもそも人がなにかを創るということに終わりはない。エンタメ小説が終わったと書くのは、あくまでもビジネスに限定したことだ。僕が知るかぎり、ここ三年ほどのあいだに出た作家の中で、大卒サラリーマン以上の年収を継続的に得られている人はわずかしかいない。いくつかの作品がヒットすることはあるし、けっこうな収入になるけれど、それが続くことは稀だ。執筆だけで人並みの生活を送ることは、もう不可能なのではないか。」

「五年前、十万部売れていた作品があったとしよう。今なら、よくて五万部くらいかな。三万部かもしれない。来年はもっと減る。再来年もね。三年後は……本になるかどうか、僕には確信が持てない。」

「今の日本では、ほぼすべての分野において、市場が縮んでいる。当たり前の話だ。人口が減っているのだから。若い人がどんどん少なくなっている。」

「人口減だけではなく、インターネットを初めとする、情報の多様化も要因としてあげられる。選択肢が増えた。それはすばらしいことなのだけれど、小説というオールドメディアにとっては、厳しい現実になってしまう。」

「小説は以前ほど、必要とされていない。自分の表現ができればいいと考えている作家もいるけれど、僕はそうではない。」

「僕は読まれたい。伝えたい。部数とは、読者の数でもある。」

「市場は嘘をつかない。現実を反映する。男女の関係を描いた小説は今、まったく売れなくなった。家族を描いた小説は今、まったく売れなくなった。大人を描いた小説は今、まったく売れなった。」

「僕は男女の小説を書きたい。家族の小説を書きたい。大人の小説を書きたい。けれど今、それらは求められていない。」

「橋本紡は、時代とズレてしまった。」

「こういう未来は、正直、想像していなかった。丸太橋を渡り続けているうち、いつか落ちるだろうとは思っていた。才能が涸れるだろうとも思っていた。表現者には必ず、そういう時が来るものだ。終わりがあることを知りつつ、僕たちは走り続ける。」

「本当に残念なのは、丸太橋を渡ったその先、土地が、さして魅力的に思えなくなってしまったことだ。パートナーを持たず、子供を持たず、ただ自分だけを見ている人たちがいる土地。僕はそこに住みたいとは思わない。僕は他人を求めたい。傷つきたい。喧嘩をしたい。」

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