M&Aも世界視野で。本物の知財!東大発ロボットベンチャーSCHAFT
米国防高等研究計画局(DARPA)主催の災害対応ロボットの競技会が、12月20〜21日に米フロリダ州で開かれた。
最終結果まで2年間を費やす。途中審査を通過したチームには、DARPAから開発資金が最大400万ドル(約4億円)上位8チームが、最大100万ドルの資金提供を受けられ、2014年12月の最終審査の優勝チームにはさらに200万ドル(約2億円)の賞金が支払われる。今回は中間審査の位置づけ。
原発事故などの災害救援活動を支援するためのロボット開発のため、遠隔操作でロボットの性能を評価する。
2日間で行う課題は8つある。
1.実用車を運転し、下車する
2.起伏の激しい地形を歩く
3.通路にある障害物を取り除く
4.一連のドアを開ける
5.業務用はしごを昇る
6.壁を打ち破る
7.消火ホースを運び、つなげる
8.漏れているバルブを見つけて閉める
こうした中、米Googleが、7社のロボットベンチャーを買収したうちの、東大発ロボットベンチャーSCHAFTが、「DARPA Robotics Challenge(DRC)」で32点満点中27点を獲得し、参加16チームのトップに立った。
2007年から東京大学情報システム工学研究室(JSK)で筋骨格系ヒューマノイド「小次郎」の開発を手がけた中西雄飛氏を中心に、東京大学からスピンオフしたSCHAFTチーム。
高さ5フィート(約152cm)、重さ209ポンド(約95kg)の二足歩行ロボットは、ドア開け、ホースつなぎ、壁の部分切り出しといったDARPAが設定した各種目で、安定した歩行と優れたトルク性能を発揮した。
SCHAFTチームの失点は、突風でドアがロボットの手から離れてしまった場面と、既定のコースを無事走行した後、ロボットが車両から降車できなかった場面だ。
Boston Dynamics(「BigDog」をはじめとする、生き物にヒントを得た一見不気味な軍用ロボットの開発元)も、Googleに買収されている。
DARPAは、研究開発中の軍用4足歩行ロボット「Legged Squad Support System(LS3)」の屋外試験の映像を公開した。
起伏の多い地形で、4足を的確に配置したりロール方向に転倒しても立ち上がり、不整地を踏破できるのが特徴。
音声入力も可能で、指令した人(軍のチームのリーダーなど)の追跡も可能。
2014年の上期まで研究開発する計画となっており、それまでに複数の異なる環境で屋外試験を行う。
DARPAの「LS3プログラム」では、戦場などで400ポンド(約180kg)の重量物を搬送する半自律の歩行ロボットの開発を目指している。
映像は、12月に海兵隊戦闘研究所(MCWL)と協力して、Virginia(バージニア)州の基地内にある森林で実施したもの。くぼみや川、斜面などを認識し、リアルタイムで最適ルートをみつける。夜間は携帯補助電源として使用することでバッテリーの充電も可能。
東大発ロボットベンチャーSCHAFTの成功の影の功労者については、「本物は日本を捨てざるを得ない?Google買収のSCHAFTの命を救った男」をご高覧ください。
ビジネスプロデュース能力検定の学びにもなります。