子どもたちの未来のために/表現の自由について考える
16日、東京都新宿区神楽坂の出版クラブ会館で、12月施行される特定秘密保護法に反対する児童書出版関係者が集まり、表現の自由や民主主義について考える集会「フォーラム・子どもたちの未来のために」が開催された。来場者数は約260名。
絵本作家ら7人が登壇し秘密保護法廃止などを訴えた。
日本児童図書出版協会をはじめ、子供の本の作り手や書き手らの組織7団体でつくる実行委員会が主催。
絵本学会理事会(会長・松本猛)
絵本作家・画家の会(代表・浜田桂子)
童話著作者の会(代表・山本省三)
日本国際児童図書評議会理事会(会長・板東悠美子)
日本児童図書出版協会(会長・竹下晴信)
日本児童文学者協会(理事長・丘修三)
日本ペンクラブ「子どもの本」委員会(委員長・森絵都)
原発事故をテーマにした作品をもつ作家の森絵都さんは「法律が悪用されないよう注意していくべき。子どもは多彩な本を選んで自由な感性をはぐくむべきだが、秘密保護法はそうした本にまで影響を及ぼしかねない。政治を語ることのためらい、心の萎縮を取り除くことが政府の締め付けにあらがうことになる」と懸念した。
終戦の年に小学校に入った絵本作家のいわむらかずおさんは「民主主義の根幹を踏みにじるような政治が進んでおり、恐ろしい。いま絵本を読んでくれている世代を、将来、危険な目にあわせてはいけない」と強調。
作家のあさのあつこさん(小説「バッテリー」の著者)は岡山県美作市から駆けつけた。
「物書きの端くれとして、国家とは何かを追及していきたい。豊かで平和な国を残せるよう、孫を持つ祖父母や子を持つ親が、それぞれの場所で訴えていくことが大切。緩やかにつながるネットワークをつくり、選挙という手段に生かしていくしかない」と呼び掛けた。
翻訳家のさくまゆみこさんは「自分の頭で考えて情報を集め、判断するのが生き延びる道だが、情報が入ってこなくなってはいけない」と訴えた。
秘密保護法をめぐっては政府が十四日、十二月十日の施行を閣議決定した。特定秘密に指定されている情報を漏らした場合、最高で懲役十年を科す法律で、国民の知る権利や報道の自由を損なうと懸念されている。
一般社団法人 日本児童文学者協会より以下引用
~ 子どもの本の書き手・作り手が、いま声をあげます~
昨年12 月、多くの国民、識者の反対や憂慮の声を押し切って、国会で「特定秘密保護法」が可決成立されました。この際、「児童書出版関係者有志」として多くの子どもの本の書き手、作り手が、法案に反対する声明を発表し、反響を呼びました。また、子どもの本に関わるいくつかの団体や、出版関係の団体からも、反対声明が出されました。
法律の施行は本年12 月ですが、廃案や見直しを求める声はますます大きくなっています。しかし、政府はそうした声に応えるどころか、この7月には内閣の「解釈」によって憲法の根幹部分を変更するなど、日本はより危うい方向に進みつつあるように思えます。
子どもたちは将来自分たちが暮らすことになる社会を創造する作業に、いま直接参加することは困難です。それだけに、わたしたちは、次の世代に自由で民主的かつ平和な社会を受け渡していく責務があるのではないでしょうか。
いま、子どもの本の書き手、作り手の組織が結集し、学習と討議の場としてのフォーラムを立ち上げ、表現の自由のために、子どもたちの未来のために声をあげていくことになりました。その第一回のフォーラムを、下記のように開催します。
子どもたちの未来を想う多くの方たちの、積極的なご参加を期待します。
引用終了
国の法律に対して、もの言うパネリストとして、壇上に立つことは、大きな勇気がいる。
慶応大学名誉教授で、憲法学者の小林 節氏の「そうした勇気ある人を孤立させてはいけない」という言葉に、そうした人たちへのサポート体制を生み出す縁の下の力持ちの存在の大きさを感じた。
政治のことがよくわからなくても、たとえ子どもであっても、自分の考えを素直に話してもいいんだという、もの言う場作りと、そうしたフラットな場を守る運営の重要性を、コミュニティマネージャーとして強い使命感を感じた。
ビジネスプロデューサーは、勇気あるブレイブである。
彼らが自由に行動できる場を支えるコミュニティマネージャーの存在するBPAでありたいと思った。