アメリカベンチャー企業クロスバーがReRAMで消費電力低減と書き込み性能の高速化を実現
インターネットの爆発的な進歩は、2015年には、Exascale(1018) system が必要といわれています。
2008年のスーパーコンピューターの消費電力は2.3MW。Exascale system では、何と2.3GWと予測されています。この値は、なんと原発2基に相当。
今後、システム設計上でも消費電力低減が最重要開発テーマといえます。
アメリカベンチャー企業クロスバー(Crossbar)は、開発中のReRAM(Resistive Random Access Memory:抵抗変化メモリ)というメモリー製品のデモ版を発表しました。これはフラッシュメモリに変わる新技術を利用したものとして注目を集めています。現行のNAND Flashと比較して大容量かつ高耐久性を実現し、さらに書き込み性能と省電力製も大幅に勝るそうです。
ReRAMは、次世代不揮発メモリで、200mm2のチップに最大1TBのデータを蓄積することが可能。シリコンを三層に重ねたシンプルな構造からなり、電源が切れた状態でもデータを永久に保存することができます。また書き込み速度は既存のNAND型フラッシュメモリに比べて20倍も高速で、消費電力は20分の1になるといいます。
GigaOMによると、次世代ストレージ技術に関しては、多数の企業が開発ラッシュで、エヴァースピン(Everspin)「MRAM」、サイプレス・セミコンダクター(Cypress SEmiconductor)「Ferroelectric RAM 」、ヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)「memristor」等々、競争が始まっています。
クロスバーは2010年創業。
ベンチャーキャピタル、クライナー・パーキンスなどから、少なくとも2050万ドル(VentureBeatによると2500万ドル)の資金を調達したといわれています。
超大容量・超低消費電力の実現により、Crossbarは電子製品界に新たな潮流を生み出すことになるかもしれません。