持ち運びできる~は世界を変えるキーワード?
2013年9月に開催されたルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 松島2013。
東日本大震災で大きな被害に遭った宮城県松島町の公園に忽然と現れた、世界で初めての「膨らむコンサートホール」。
この構造物はポリエステル素材でコーティングされたバルーンで作られており、製作者は建築家の磯崎新氏、イギリス人彫刻家のアニッシュ・カプーア氏。
最大、高さ18メートル、幅35メートル、500人の観客が収容可能。
終了後は、空気を抜いて折り畳んで運べる。
BPA NEWSでは、2013年5月にボトルショップ「モデルズオウン」を紹介した。
このボトルショップは、パーツを組み合わせ、場の広さに合わせた対応が可能となる。
ゲーム機、テレビ、電話、ステレオ、といった場所にあったものが、手のひらに収まり、持ち運びができるようになり、ライフスタイルは大きく変化した。
オリガミ工学と呼ばれるオリガミ理論では、折りたためる建築も研究されている。
東京大学宇宙航空研究所(現・宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所)の三浦公亮氏(現・東京大学名誉教授)が考案した折り畳み方「ミウラ折り(海外でもMiura-oriとして使われている)」は、人工衛星の太陽電池パネルを展開するために利用され、知的財産権も数多く取得されている。
世界から日本が注目される理由のひとつは、ORIGAMI-オリガミと、日本語そのままで表現されるような、緻密なまでに精密な手作業が数学で表される理論と一致するということだ。
海外の人々から驚かれ、賛辞をもらう、包丁さばきといわれる料理人のミリ単位での素材を切る細やかさなど、今後、それがコンピューター制御による機械にも変わり、誰でも手に出来るものになっていくかもしれない未来に、知的財産権として残していくということは、ビジネスプロデューサーの手腕のひとつとなるかもしれない。