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農業をブランドビジネスに!農業生産法人 株式会社GRA 岩佐大輝 CEO

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「(3.11が)風化するというのは、すごくいいことだと思う」

と語る岩佐大輝氏は、農業生産法人 株式会社GRAのCEO。

1粒1000円の価格のつく「MIGAKI-ICHIGO」「MIGAKI-ICHIGO」といういちごを作り、「農業の未来はブランド構築にあり?」でお伝えしたように、1万1千平米という広大なイチゴハウス(先端施設園芸農場)を造りあげ、ICT(情報通信技術)と融合した独自の生産方式で日本一のいちご作りを掲げて生産に励み、いまや、伊勢丹(全店)やネットを通じて超高級いちごを独自ブランドで販売するまでになりました。
農業は未経験、震災後に始めた会社です。

岩佐氏の言葉が動画で見られます。

 

人間は、忘れるからこそ生きていける。特に当事者でない人が、毎日、思ってくれるなんてことはほとんどない。

だからこそ、「被災地は何をしなければいけないのかというと、町には予算が、大量に復興の予算が下りてきているのだから、もう、人々がアクションしなくても、間接的にあまりにも多大な支援を受けているということを被災地の人は認識しなければならないですね。」

「風化は、もう、大歓迎しなければいけない。震災を忘れないでと、そんな甘いことは言わないで、自分たちが被災地の中にいてなにができるか、というのを考える。で、自分たちの力で、よりよい地域を作っていく。そうなれば、震災をこえてなにか新しい価値が生まれれば、風化どころかまた人々は集まってくるし、注目もされるわけですから。そういう風に変えていかなければならない。」

 

ビジネスプロデューサー 伊藤淳

ビジネスプロデューサー 伊藤淳氏より、
岩佐氏のスピード感あふれる行動には、ブランドビジネスのやり方を知っているように感じるという言葉をお聞きしました。

小幡「一粒1000円のいちごなんて、庶民は買わないと思うのですが」

伊藤「僕は、1パック1000円のいちごだったら買わないけれど、この1粒1000円は買いますよ。これがブランドビジネスなんです。」

小幡「それは、どういうことですか?」

伊藤「彼は、日本で商売をしようというつもりはないと思います。最終的には、海外を視野に入れて考えている。だから、一粒1000円のいちごなんです。」

小幡「海外でも、一粒1000円のいちごは買わないのでは?」

伊藤「大事なことは、ここのいちごは一粒1000円のいちごだというブランドなんです。彼がインドで、現地の人を使い、作ったいちごは、一粒1000円では売れないでしょう。でも、日本で「一粒1000円で売れているいちご」であるだけで、人は買いたくなる。今、手に入れられない人でも、お金を貯めて、それを手に入れたいと思う。それが、ブランドビジネスでもあるわけです。そこに、ただのいちごだけでない、特別ないちごとして価値を生んでいるんですね。」

小幡「なるほど。いちごだけど、ただのいちごじゃない!ってことですね。そして、それをみんなが認めているということが大事なんですね。」

伊藤「これは、すべてのブランドビジネスに言えますが、ファッションでも、銀座や表参道に出ている店舗は、アンテナショップというべき、採算をそこで採ろうというショップではないんです。家賃の高いその場所で、この値段で売れている。ファッションに敏感な人たちが集まる場所で注目されている。それがあって、どんな場所でも決して安くはない場所で売れていくんです。」

小幡「トータルで、ものを見て、考えるということが求められるのですね。ビジネスプロデューサーとは、常にそうした思考法で、ものを見ていらっしゃるんですね。」

伊藤「私がよく言う言葉でもありますが、自分が、どこのポジションに立っているのか。どこから、ものを見るのか。まずは、そこに注視すると、気づけることが増えるかもしれませんね。」

 

《対談を終えて》

クラブマネジメント 小幡万里子

伊藤理事長から、お話を伺うと、いつも、ものを見る時に《自分》視点でしか考えられない自分に気づき反省することばかりです。
おそらく、大抵の方は、そうなのだろうと思います。
常に、自分がどこにいて、どこに向かい、また、周りはどう動いているのかということを知り、ブランド意識をもって思考するということの重要性を、一粒1000円のいちごから学びました。
「MIGAKI-ICHIGO」という名前より、一粒1000円のいちごというイメージが、すでに私の中に埋め込まれているという点からも、株式会社GRAの代表取締役岩佐大輝CEOのブランド戦略に乗っかっているといえましょう。

一粒1000円のいちごから、このような学びをいただけるのならば、一粒1000円のいちごも、決して高くはないなと思いました。

皆様は、このGRAの岩佐社長のビジネスを、どのように分析されるでしょうか?

Photo youtebe 復興デパートメント:山元町 農業生産法人 株式会社GRA/岩佐大輝

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