未来を生きる人たちに正確な歴史を届けたい!「知識の杜」
世の中には様々な分野に知識があり、その知識を集約した「知識の杜」サイトがスタートしました。
分野ごとに検定を準備しており、検定を通じて、短い時間でその領域の知識を得ることができる仕組みです。
通勤電車の中や、空き時間で、気軽にトライできる検定ですが、内容は、お試し検定5問でも、合格はなかなか難しく、本格的な検定です。
たとえば、日本クラシックソムリエ協会の「クラシックの木」では、クラシックソムリエ検定・イントロクイズ検定・アーティスト情報・コンサート情報・コンクール情報・全国のコンサートホール情報などが用意されています。
クラシックの専門家たちが作る検定は、音楽の教科書で目にした作曲家たちであっても、どのようなエピソードがあったのか・・・など、非常に好奇心をそそる検定内容となっており、クラシックの知識が非常にスムーズにインプットされていくことを感じます。
「知識の杜」の松島秀夫さんにお話を伺ったところ、現在は、お試し以外の検定は有料となっておりますが、将来は、日本中の人の知識を増やしていくことに賛同された方々の寄付で、検定をすべて無料にしていきたいという希望を持たれているそうです。
ウィキペディアのように、あらゆる分野の知識を知るために、見るだけでなく楽しく体験できるプラットフォームを目指されているそうです。
ウィキペディアの創立者はジミー・ウェールズ(Jimmy Donal Wales)とラリー・サンガー(Larry Mark Sanger)。2001年1月15日に英語版が発足(日本語版は2001年5月20日)して以来、2016年3月21日現在、言語数292、純記事数39,048,643、総項目数147,219,099、総編集数2,159,485,148、管理者数4,029、登録者数61,052,003、活動中の登録者数299,358、ファイル数2,415,97と、巨大なウェブ百科事典と成長しています。広告は一切行わず、活動はボランティアが担い、寄付によって成り立っています。
Wikipediaの財務状況は透明性ある発表を行っています。
日本に欠けているといわれる寄付文化ですが、寄付のお願いを嫌悪する人には、Wikipedia Storeという物販サイトを通じ購入した金額を寄付に当てるという方法も取られています。
「知識の杜」の松島さんは、かつて免疫治療の分野で活躍され、中国から日本に検診や医療を受けにこられる方が、言語の違いで困らないようにと、医療の専門用語の通訳のできる人を育成する講座なども作られたそうです。
専門的な知識を、自分のもっている得意な分野で使いこなすことができることで、困っていたり悩んでいたりする人たちを助けることにつながることを、身をもって経験されたことが、この「知識の杜」の誕生のきっかけなのではないかと感じました。
「10年後、どんな風になっていたいですか?」とお聞きしたところ、「様々な分野の正確な歴史を自らの知識にして、未来を生きていく人たちのための情報サイトとして、いつでも誰でも見られるようにしたいですね」とお答えいただきました。
Wikipediaが15年で大きく成長したように、「知識の杜」にたくさんの木が植えられて森となるように、これからの「知識の杜」に期待が高まります。