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Glowの自然妊娠支援アプリとクラウドファンディング

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「女性の社会進出を背景に子供を産まない女性が増えている」とよく耳にするが、その一方で「子供ができない」と悩む女性も多い。今や不妊症は世界で広がり、どの国も女性の社会進出を支援するのと同時に不妊治療の支援制度等を充実させる取組が図られている。

とりわけ日本においては、晩婚化・晩産化が深刻な問題とされ「やっと子供ができた」と言っても「障がいを持つ子供たちが増加傾向」という皮肉な現実が浮き彫りになってきている。

そして、平成24年には、平均初婚年齢が男性30.8歳、女性29.2歳となり、第1子出産時の女性の平均年齢が30.3歳となっている。当然のことながら不妊治療者の数は右肩上がりとなっている。これには、医療技術の進歩と国の「不妊に悩む方への特定治療支援事業」等が追い風になっているようだが・・・

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その数、269,555人(日本産婦人科学会ARTデータブック2011年より)。

日本の体外受精、顕微授精などの高度生殖医療(ART)の治療件数は世界でトップだ。にも関わらず、新生児40人に1人が体外受精児である現実を知る人は少ない。

ゆえに、不妊治療の市場規模も大きくなっている。治療費は決して安くない。仮に一人当たりの平均治療費を40万円とすると1,080億円(27万人×40万円)となる。このままいけば「不妊治療も巨大産業」といわれる時代はそう遠くないだろう。

そこで、米国の新興企業「Glow」の新たなビジネスに注目!ということになる。

ペイパル共同設立者だったマックス・レヴチンが2013年に設立した「Glow」は自然妊娠したい女性をサポートするスマホアプリを提供している会社だ。

同社のアプリに年齢、排卵周期等の基本データを入れ、日々の体温・気分・食事・運動量やビタミン剤等摂取したものを継続入力していくと子づくりのベストタイミングを教えてくれる。そして、蓄積データが多くなるほどに正確さが増していく仕組となっている。

驚くべきことに「サービス提供から僅か4ヶ月で1,000人が妊娠した」と発表があり、同社のサイト(サクセスストーリー)には、リアルタイムで「I am pregnant!!」なんて写真付で投稿され続けている。見ていると僕まで「Happy!」な気分になる。

同様のサービスは、「Ovuline」という新興企業でも提供している。同社は、「平均2ヶ月で妊娠できる」といい医師チームと連携した個別のアドバイスまで行う会員システム(有料)もある。また、会員が妊娠しなかった場合は、返金保証までしているようだ。

最近、スマホアプリで管理できる手軽な健康器具がちらほら目に付くようになったが「成功者続出の妊娠サポートアプリって凄過ぎ!」と思うのである。まぁ、僕には縁の無いものだが・・・

そして、注目して欲しいのがGlowのクラウドファンディング「Glow First」だ。

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Glow Firstは、不妊の治療費を支援する目的で開設された。

Glowのアプリを使っても妊娠しなかった人たちをサポートするためのクラウドファンディングで、参加者(登録者)は、毎月50ドルの支援をし10ヶ月間プールされることになっている。つまり、10ヶ月経っても妊娠しなかった人にそのプール金が割り当てられるようになっている。参加人数によってプール金が異なるので不妊治療費を賄える額になるか分からない。妊娠しなかった人数にもよるので・・・

しかし、妊娠できなかった人たちへのフォローシステムとして非常に有意義なクラウドファンディング(プラットフォーム)だといえる。何でも有り的なクラウドファンディングに比べたら社会的意義も大きい。

さらに、Glowは妊娠しなかった人たちのために企業も巻き込む仕組を創り上げている。

同社が開始した「Glow for Enterpris」というサービスは、企業の手当てを不妊治療に充てるものだ。つまり、妊娠できなかった人は、勤務先の企業からGlow Firstに変わる支援金を得ることができるのだ。

既にEvernoteやEventbrite等が参加し、社員に代わって費用を支払っている。その際、企業側は「誰なのか?」は分からない。本人には、会社のメールアドレスや給与明細のコピー画像を利用してアプリ登録してもらうので勤務先に報告する義務は無い。企業側には、人数だけ報告するようになっているので本人のプライバシーを守ることができる。

どうだろうか?

Glowのビジネスモデルは、「自然妊娠したい女性を応援し、自然妊娠できない女性を皆で応援する」という素敵な仕組を実現している。もちろん、不妊は女性だけの問題ではない。不妊の原因は男性にもある。

日本の話に戻るが、日本人は他の国の人たちに比べ「不妊を恥じる」傾向があるようだ。
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それゆえ、相談できない、知識が乏しい等、女性には「不妊の悩み」がありながらも「不妊治療に積極的に取り組もう」という気持ちにはなれないようだ。中には、「不妊は100%女性が悪い」とする男性も居るらしく、不妊が原因で離婚するケースもある。

Glowのような妊娠支援アプリやサービスが日本にも広まり、それを応援する企業が続々と現れてきたら、と思う。女性の社会進出より自然妊娠したい女性を応援し不妊で悩む女性を守るのが先、と思うのは僕だけじゃないはずだから。

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