コイト電工のフラット型車両用交通信号灯器の秘密
全国で雪の便りが聞こえるようになりました。
視認性の良さや省エネで普及が進んでいるLED式(発効ダイオード)信号機ですが、雪国では表面に雪が付いて見えにくくなるという問題が起きています。
(山田喬さんツイート yamada takashi @ymd_tkcより)
LED式信号機は節電効果が高く寿命が長いことから、新たな信号機導入や取り換え時には、LED式を設置する地域が増えています。
問題の原因は、LED式は、電球型よりもLED型は発熱量が少なく、吹雪などの後では積雪がレンズに残り、信号の色が分からなくなるということが頻発し、衝突事故の恐れを招きます。
このため、現場の警官らが備え付けの棒でかき落とすという人力作戦で、LEDでの節電分が人件費に消えているのでは?と言われていました。
オーストリアでは信号機をLEDに変えたところ,同様のことが起こり、着雪防止ヒーターを新たに付ける必要が生じました。その結果、信号のエネルギー消費が電球の頃より増えてしまったといいます。
信号機メーカーのコイト電工(静岡県長泉町)が開発したのが、薄型で凹凸をなくしたフラット型灯器で、灯器上に雪が積もりにくく、一時的に積もってもすぐに落雪します。
また、レンズ外面に微細な凹凸を形成させる事で雪が付着しにくく、さらに灯器を前方に傾斜させて設置することで雪自体の重さと風による相乗効果があり、水分の少ない粉雪から水分の多いベタ雪まで、落雪に広く効果を発揮します。
ビジネスプロデューサーは、課題解決型のビジネスプロデュースをする場合が少なくなりませんが、とりあえずの対症療法を好みません。
根本的な原因を探り、その根本的解決につながるビジネスを創り上げます。
節電を願い、結果、落雪のために、人力や発熱機という新たなコストを生み出さないための、問題解決を行うコイト工業の信号機は、人の命を守る商品を生み出すビジネスといえそうです。
(PHOTO:コイト工業)