社員食堂も着せ替えOKな時代に!
シリコンバレーの500 StartupsやYコンビネーターが投資するスタートアップには、ヒントが散りばめられている。
500 Startupsから輩出された、オフィスへのランチ派遣プラットフォーム「Fooda」は、大規模オフィスの飲食施設を設置するまでもない小規模事業所に、ランチタイムに地元の飲食店が入れ替わりで出店してくれるというサービスだ。
日本でも、オフィスに専用の食堂を備えている企業はそう多くはなく、専用食堂をもつ企業も、一度、参入した飲食店には、社員がメニューに飽きても、そうそう簡単には追い出せないという現状もある。
そうした企業内食堂を運営するだけの規模ではない事業所にとって、企業にとって都合のよい期間とメニューを、オフィスの空きスペースで簡易店舗を出店してもらえるのは、食堂運営を行うよりも福利厚生にかかる費用も押さえられ、人間の活動において重要な食のメニューの選択肢が増えることは、大変に望ましいことだ。
また、飲食店側にとっても、その期間に大量の注文を受けることができるので、無駄のない材料費の計算が成り立ち、売り上げアップにつながる。
Foodaは、2011年1月にアメリカのシカゴで創業した。資金調達額は、約7.8億円。
創業者は、Jason Stulberg 氏で、べイン&カンパニーでコンサルタント、プライベートエクイティファームでシニアアソシエイトを経て、起業家になった。
グリーティングカードのキオスクの立ち上げ、セルフサービスのキオスク“Coinstar”の責任者、オンラインビデオスタートアップ(Echo Global Logistics。2009年にIPO)のCEOを経てFoodaのCOOに。
2007年、Echo Global Logisticsでの勤務時に、ランチに課題を感じ(近くに良いレストランがなかった)起業した。
Foodaのサービスは、オフィスの空きスペースを活用し、そこに地元飲食店が簡易店舗を出店する。
この地元との密着型が、地産地消の経済効果にもつながる。
Foodaの収益は、企業への紹介手数料となる、売上げの数%で、提携店舗はFoodaが事前チェックを行う。
社員への福利厚生サービスとして、同一の飲食店による飽きのこないよう、毎日日替わりで違う店舗を呼ぶこともでき、社員の満足度も高い。
利用方法は、企業がアカウントを登録すると、利用できる飲食店のリストが送られてくるので、1店舗の飲食店が提供する3種類のメニューを見て、飲食店を決定する。
社員はアプリをダウンロードし、その日にやってくる店舗・メニューを確認し、スマートフォンで決済する(バウチャーを購入)。
現場で支払をしないことで、金銭のやり取りのオペレーションが省略でき、飲食店側は食事提供のみ集中できる。
企業は、ランチタイムの空きスペースの確保とメニュー選びだけで、社員の満足度を高め、飲食店も、金銭のやり取りの時間も短縮され、一定の数の販売が見込めることで無駄を省き、手数料数%は、決して高くない数字といえよう。
日本でも、マクロビキッチンカーという面白いビジネスモデルをスタートしたスタートアップの3人の青年がいる。
それが、玄米彩食 旬だ。
国産で有機(無農薬・無化学肥料)野菜を食材とし、動物性原料(肉、魚、乳製品、卵)や精製糖不使用、添加物・遺伝子組み換え原料不使用の食材を利用し、昔から受け継がれた調理法でありながら、ハンバーガーや鶏のから揚げに味も見た目も変わらないという食事を提供するために、学校の食堂代わりに、キッチンカーで学校に健康にやさしい食事を届けるビジネスモデルを提案している。
シリコンバレーで生まれるビジネスと同様のビジネスが日本でも生まれている。
ビジネスプロデューサーは、ビジネスを楽しみながら、人々にやさしい環境を創り上げるビジネスモデルを考案している。