クックパッド、レバノン・ベイルートのレシピ会社を買収
クックパッドはM&A(合併・買収)による海外展開を進めており、今後の成長が期待できる中東に進出する。
買収するのはレバノンのベイルートに本社を置くネットシラ・エス・エー・エルで、創業者などから全株式を取得、運営するレシピサイト「Shahiya」は多いときには月間利用者が400万人を超える。
「Shahiya」は広告料で運営し、サービスは無料で提供している。
クックパッドは会員限定の有料サービスの導入も検討。
中東は家庭で食事を作る文化が根付いており、インターネットの利用者が増えているうえ富裕層も多いため、レシピサイトの需要が増えると判断した。
買収額は14億円程度と予想。来年初めまでに買収を完了する見通し。
クックパッドは、12日、欧州やアジアなど米国を除く海外市場での公募増資で最大105億円を調達すると発表した。
公募増資による資金調達は2009年に上場してから初めてとなる。
欧米を中心とした海外でのM&Aなど、成長投資に充てる。
最大で現在の発行済み株式数の9%に相当する310万株を新たに発行。
発行価格は12日から17日の間に決定。払込日は27日。
クックパッドは、国内でも子育て支援などレシピサイト以外のサービスを拡大。
食品スーパーで使える割引クーポンの配信や特売情報サービスの他、ネット通販事業、利用者がサイトで検索した語句のデータを小売店に無償提供し、店が商品の仕入れや販促活動に利用するデータ活用の有用性を体験してもらい、月額15万円から詳細な分析ができる有料サービス「たべみる」の利用につなげている。
夏には定款を改定し、以下の事業目的が追加された。
(8) 小売業
(10) 広告宣伝の情報媒体の販売
(12) 無体財産権(著作権、著作隣接権、特許権、実用新案権、意匠権、商標権等)の取得、使用許諾、売買、譲渡、管理およびこれらの仲介、代理業
(13) キャラクター商品(個性的な名称や特徴を有している人物・動物等の画像を付したもの)の企画、開発、販売および著作権、意匠権、商標権の管理、使用許諾、譲渡およびこれらの仲介、代理業
(17) 旅行業法に基づく旅行業およびその代理業
(20) 音声・映像のソフトウェアの企画、制作、販売、賃貸
(28) 労働者派遣事業法に基づく一般労働者派遣事業
(29) 金融業
(30) 投資業
(31) 損害保険代理業ならびに生命保険の募集に関する業務およびその仲介業
企業には変化が必要だ。
しかし、企業の理念に則った事業の崩れ始めに、大衆は敏感だ。
ソニーの転落も、大衆は「とっくに我々が気づいていたのに」「だから言ったのに」と、企業の惑いを許すことは少ない。
果たして、クックパッドは、上場の悲劇の道を進むのであろうか?
時代の半歩先をいくビジネスプロデューサーは、一連のクックパッドのビジネスモデルを、どう読み解くのであろうか。
PHOTO:Natalie Shuttleworth(by Flickr)