クラウドファンディングIndiegogo初日でクリアしたヘルメット「Skully AR-1」
クラウドファンディングサイト「INDIEGOGO」で8月10日(~30日間)に始まった資金集めで、初日に目標の25万ドルを大きく上回る60万ドルを記録し半分の期間を残し、すでに142万ドル以上(550%以上)の資金を集めているのが、Skullyが開発するフルフェイスタイプのヘルメット「Skully AR-1」だ。
バイクを運転しながら、携帯端末などの操作ができたら・・・。
迷子になった時、携帯のナビで道を確かめたい・・・。
着信をチェックしたい・・・。
運転中でもそうした行為を可能にしようと、ヘッドアップディスプレー(HUD)やGPSを備え、ナビ情報を案内、Bluetoothで連携する端末の着信やSNSのアップデートなども表示してくれるというハイテクなヘルメットの開発に資金調達を始めた途端に、目標の25万ドルを初日でクリア。入手額は1399ドルと決して安くはないにもかかわらず、25日現在、142万ドルを集めている。
キャンペーンは9月9日までとなっていて、米国外への発送(来年5月ごろ、料金別途)にも対応する。
小売価格は1499ドルとなる見込み。
一方、厳しい日本人の意見もある。
価格が非常に高いこと。高めのヘルメットの倍程度になる。
ナビ等はインストゥルパネルに装着するので十分で、あえてHUDの必要性があるのか。
バイクは車と違い、顔を向ければ死角はほとんどない。自動で警告してくれるならともかく、単なるリヤビューにしては価格が高い。
ヘルメットはプロテクターであり、消耗品。必要な安全のための費用は必要だが、その領域を超えている感じがする。
汗等による劣化の問題、SKULLYはAR-1をいつまでシステムやアプリケーションの更新を提供するのか。
既にBluetoothヘッドセットを内蔵したヘルメットはあるし、ヘルメットに装着するヘッドセットもある。
上記のように、価格が高額であるというのは、バイクという趣味に走る人にとっては、大きな壁ではないだろう。
クルマは、数々の安全対策や空気抵抗低減といった社会要求への適合が大きな要素となり、走るブリキの箱になってきた。ブリキの箱の中に応接室があり、ボンネットの中はブラックボックスと喩える人もいる。
バイクは、エンジンに2つのタイヤを付けたごくシンプルな移動道具だ。
スリルとスピード、バイクとの一体感と緊張感!
そうしたものを求め、独り、あるいは、二人で時空を走り抜ける。
そこに、ソーシャルのつながりや、IT技術が、果たして必要なのだろうか?
ビジネスプロデューサーは、資金集めにも、理由と根拠と目的を明確にする。
不必要な資金が、ビジネスを捻じ曲げてしまうこともあるのだ。
クラウドファンディングで、一体、何を求めるのか・・・ビジネスプロデューサーは、静かに事の進行を見ているのではないだろうか。