人間らしく生きるために使いたいIT技術Be My Eyes
ビジネスの成功とは、利益を上げること。
資本主義では、それが当然のしきたりであろう。
ビジネスプロデューサーは、利益追及でビジネスの立ち上げに関わるが、だからといって目的が利益を上げることだけではない。
目が見えない人が困った時に、代わりの目となるボランティアの人とをスマホで繋ぐ「Be My Eyes」は、デンマークのStartup Weekendで“Most innovative idea” (最も革新的なアイディア)を受賞した。
日本にもビジネスアイデアの賞は数多くあれど、受賞して、受賞した者も、与えた者も、それだけで終わってしまうというのがほとんだ。
Be My Eyesのプロジェクトチームは、その後、自分達で、Be My Eyesを世に出すために開発のための資金調達に動き始めた。
利益重視の事業ではないために、資金集めには約1年がかかった。
CSR(社会的価値を提供する)ことが主目的で、投資益を得ることは薄いため、日本でもよくある「いいことだけど、儲からないとねえ」という意識が主の資本主義では、資金はおいそれと集まらないからである。
Be My Eyesのチームは、ミッションと目的をオープンにし、見込支援者とのコミュニティの力を強めることからスタートした。
それによって、認知が広がり資金調達が可能になったのだ。
見えない人の目になる「Be My Eyes」iOS版は、下記よりダウンロード可能だ。
(今後、Android/Windows Phoneでもリリース予定)
Be My Eyes – helping blind see on the App Store on iTunes
「Be My Eyes」のオフィシャルサイトのムービーを見ると、どのように助け合うことができるのか、理解してもらえるだろう。
視覚に問題がある人に手助けできる人は「I am sighted」をタップ、手助けを求める人は「I am blind」をタップする。
「I am sighted(目が見える人)」を選んだ場合、初回のみ「通知」「カメラ」「マイク」のアクセスを許可する必要があるが、後は、視覚に問題があるために困った人からHELPが届いた時に、できる手助けをすればいい。
たとえば、冷蔵庫の牛乳を手に取り、コップに入れようとしたら臭いがする。
「I am blind(目が見えない人)」は、「BeMyEyes」にログインすると、自動的に手が空いている「I am sighted(目が見える人)」に接続するようになり、誰かに接続したら、スマホで消費期限を確認できない牛乳の写真を撮り、「この消費期限を教えてほしい」とHELPすると、協力できる人は、カメラとマイクで、その画像を確認し「消費期限が切れている」「消費期限前だ」と教えることで小さな手助けができる。
アプリ自体は日本語に対応していないが、言語を日本語にしておけば日本にいる目の見えない人を助けることができる。英語が話せれば、世界中の誰かを手助けできる。
成長する産業で事業を興すという目的だけでなく、テクノロジー技術は、人間が人間らしく生きることのできる手助けのために発展していってもらいたいと願う。
その願いをビジネスプロデューサーに託したい。